観劇「東京原子核クラブ」。そして思うこと。

観劇「東京原子核クラブ」。そして思うこと。

観劇「東京原子核クラブ」。そして思うこと。

本日は観劇day。
マキノノゾミさんの「東京原子核クラブ」。

地元の地の利がありがたく、徒歩で劇場へ。
緊急事態宣言下ではありますが、下北沢は道が狭いためいつもちょっと混み混みしています。
昨年3月から続くエンタテインメントを取り巻く状況は本当に厳しい。いつカンパニーの中で陽性反応者が出てもおかしくない状況において、スタッフ・キャスト、お客様に至るまで細心の気を配り、作品を上演している気概、心意気、覚悟。
エンタテインメントに携わっている皆様は本当に気が休まらないと思います。上演おめでとうございます、上演してくれてありがとうございます、と心から言いたいです。

いや、勿論飲食店だったり、流通だったり、小売りだったり、製造だったり、観光業だったり、勿論医療従事者の皆様も大変苦しいのは存じ上げております。気が休まりませんよね。大変ですよね。

でも舞台人だから舞台のことを話しますね。
陽性者が出たら、稽古を中断しないといけない。中断して遅れが生じてしまっても中途半端なものを見せるわけにいかないから初日が遅れるかもしれない。当然公演回数が減る。当初計画していた客席数も密を避けるために減らさないといけないかもしれない。そして、緊急事態宣言発令で夜の回を無くさないといけない。さらに陽性者が出てしまったら公演自体を中止しなくてはいけない。
補償はない。リスクだけが膨らんでくる。

という状況下において、日々緊張を保ちながらエンタテインメントを守る。不要不急と言われても、お客様の楽しみを守る。
お客様は同じ大変な思いをしている他業種に携わる方かもしれない。明日への活力を持って帰って頂くため、エンタメに携わる皆様は陰に日なたに頑張っております。

で、本日観劇したのはこちら。
「東京原子核クラブ」
http://tokyogenshikakuclub.com/index.html
マキノノゾミ氏が24年前、東京国際フォーラムの杮落しで書かれた作品の再演。

昭和初期の理化学研究所で原子力研究者が集まる下宿を舞台にした群像劇。客席に入って舞台美術を見て、「上演出来て良かった~」と思うほど素敵な舞台セット。
ストーリーも面白く、テンポも良く、上演時間が気にならない。キャストもそれぞれキャラクターを緻密に作り上げられていていらっしゃいました。よい作品を観劇出来ました!

何人か、知っている舞台関係者の方もいらっしゃって、久しぶりのご挨拶。でも劇場内会話を控えないといけないので、
私の<心の中>では勝手に昔の戦争映画のように、
先方「貴様生きていたのか!元気だったか?何をしていた?」
私「はい!なんとか生きております。○○さんも!」
先方「生きていたら、また会おう!元気で!」
私「○○さんも、ご武運を!!」

みたいになっていたとしても、実際は、

先方「元気?大丈夫?」コソコソ
私「なんとか。○○さんも」コソコソ
先方「落ち着いたら、ゆっくり。また!」コソコソ
私「ええ、是非」コソコソ

みたいな感じで別れます。通常ならゆっくり情報交換でもしたいのですが、それもままならない感じです。

入口で平置きしてある折込チラシを頂いたのですが、思いのほかずっしり。1枚1枚拝見しました。
今現在大きいカンパニーも小さい劇団も、それぞれが前述したようなリスクと向き合いながらも戦っています。一緒に今を戦っている同志がこんなにいますよ!いや、もっといるでしょう。
皆さんお気を付けて頑張ってください。頑張りましょう!頑張ります!!